距離感2012年4月30日 in お知らせ by sona-re *「ハハハと笑う」ことも、人間関係あってこそ。90歳のオジイが、あまりに気持ちよく笑うので、「この笑いが健康の秘訣ですね」と聞いてしまう。旧来的なコミュニティが分解し、家族と離別や何らかの事情による喪失により、ひとりで暮らすことになった人々はとても多い。コミュニティの再興が必要だ。 *地域コミュニティの再興と福祉力の充実は車の両輪。集まり語ることのハードルは高くない方がよく、何もしないで遊びまわる子どもを見るだけでも「いい感じ」になれる。システム化された分業的福祉の役割も大きいが、自然体のあるがままの「日だまり的スペース」って大事だよね。 *あらためて思うのは、「一緒にゴハンを食べる」ということの大切さだ。ひとり暮らしの高齢者が増えていて、コンビニにも個食高齢者の姿をよく見かける。時々でいいから、一緒に食卓を囲み、他愛もない話をして、食事をすると、気分も晴れやかになる。家族ではないが、他人でもない距離感の福祉力だ。 気になって思わずリツイートしてしまった言葉。世田谷区長の保坂展人さんが発した言葉。 これらの言葉はわたしたち介護施設で働く者にとってウンウンと同感できる内容だと思う。わたしたちの存在を肯定してくれている言葉のようにも。 でもその一方で、 わたしたちのような介護施設を利用している方にとって、家ではお一人でも、一応複数人いるスペースに定期的に存在できることにはなる。ただそれは複数人いる空間に存在しているだけで、わたしたちの施設は利用者の方にとって本質的に”コミュニティ”の一部となっているか。”日だまり的スペース”でいれているか。 そう問いかけられているようにも思った。 ご利用者にとっての一瞬一瞬を、業務の一環のひと間として流してしまっていないか。 変に背筋をはる必要も、頭でっかちになる必要もないけれど、 家族だとどうしてもイライラしてしまったりする距離、他人だとよそよそしくなってしまう距離、そこを埋めれる存在であるよう。 うちの代表は”折り合いのつけれる場所”という言葉を使う。 家族にとって、家族介護から少し息を抜けるときであり、ちょっとしたうしろめたさを少しでも軽くしてくれるような雰囲気の介護施設。 利用者にとって、素の自分でいられる自分の家ではないけれど、おしゃべりできる人たちがいて、でも”お出かけ”のように気構えずに気軽にいけるから、まぁ遊びにいってもいいかななんて思ってもらえるような場所。 お互いに”折り合い”をつけながら、家族が家族であることに、少し手助けができたなら。 そんな”距離感”を改めてふと立ち止まり考えさせられた言葉でした。