10周年記念「感謝のつどい」を昨日12月11日開催いたしました。お忙しい中ご出席いただいた皆様、また関係者の皆様、皆様のおかげでこの10年間続けてくることができ、またこの会自体も執り行うことができました。
平成13年8月21日に代表望月の自宅の一室で小さな集いを始めてから今年の8月で10年を迎えることができました。この10年の間には様々なことがありましたが、皆さまの温かなお力添えで、何とか10年間続けてくることができ、心より感謝申し上げます。今年の4月には念願であった小規模多機能ホーム、グループホームの開設の運びとなりました。ただ私たちに多大な影響を与え続けてくださった創始者である大石ふく様がホーム開設を目前にして、今年の3月旅立たれました。大石ふく様を偲びながら、お世話になった皆様とともに10年間の歩みを振り返りたく、この集いを開催しました。
皆様に感謝を伝えたいこと、そして大石ふく様とともに思い出を振り返るには、どんな集いにしようか、理事やスタッフで考えあいました。そな~れらしい集い、それってどんなものだろうと。
プログラム、第一部はマリンバ演奏会。マリンバの演者はそな~れ創設時からボランティアとしてお手伝いしてくださり、今も理事としてご協力いただいた方。このたびの演奏内容の名曲メドレーでは利用者が大きな声で歌ってくださり、「おひさまの種」ではみんなで手話の振り付けを踊りました。また、何年か前、そな~れで大事な方が亡くなった時にみんなで歌った「千の風になって」も演奏してくださりました。そういえば、ふくさんの100才の誕生日にもマリンバを演奏してくださり、ふくさんが楽しそうにマリンバをたたかれる写真が残っていたなぁ。マリンバの深く、やさしいこの響き、ふくさんに届いているかしら。
第二部にはいるまで、ご歓談。大石ふくさんの作品や、書き残してきたものなどふくさんの思い出の品々やこの10年の写真、みんなで作った毎月のカレンダー、そな~れ通信などなどそな~れの歩みを展示したり、スタッフ紹介や様々な写真のスライドショーを流しました。また、福祉祭りのときにいつも出していたそな~れ名物の「金つば」や、ボランティアでお茶を教えてくれた高倉先生のお抹茶をおやつとしてださせていただきました。
第二部では、そな~れスタッフが日頃の活動やこれからに向けての決意を発表しました。10周年記念の計画で当初は高名な方を呼んだ講演会にしようかとの案もありましたが、スタッフの中からぜひ自分たちの事業を知ってもらいたいとの声があがり、スタッフの活動発表の機会を設けることとなりました。
このそな~れはこの10年で終わるのではなく、これからも歩み続けていきます。皆さんのご支援に対して、自分たちが自分たちの足で一歩踏み出すことが、一番の恩返しかもしれない。そんな風に思いました。そして、そな~れ、また代表の望月個人にとって大石ふくさんはとても大きな存在でした。何かあるたびに大石ふくさんの言葉に助けられてきました。10周年を目の前にふくさんが旅立つというのは、自分たちの足で歩きなさいというふくさんからのメッセージかもしれないですし、スタッフから活動発表をという声があがってきたのも、もう仕組まれていた「神様のご計画」の一つなのかもしれない。そんな風にも思いました。
活動発表では、デイサービス、小規模多機能ホーム、グループホームそれぞれのスタッフが今の思いを述べたのですが、そんな中で一人のスタッフから「利用者さん同士が寄り合って(ともに暮らす者同士として)暮らしていけるような場所にしていきたい」といった発表がありました。そな~れが単に1日の中で通り過ぎていく時間の一部ではなく、一つの安心できる、暮らす、時間的な滞在のある場所でありたい、私にはそう聞こえてきました。そうだなぁ、ここが共に暮らす場になったらいいなぁって。
片づけをしているとき、ふと振り返ってみると、「ほれほれ、おトイレはいるときは扉しめといて、あははは(笑)」と利用者さん同士が言い合い、笑い合いあったり、ソファーではお互いに少しずつ近づいてそーっと静かに一緒のひざ掛けにはいったり。。あぁ、”ともに暮らす”ってもしかしたら、そんなに遠い道ではないかもしれない。知らぬ間にもう”同士”になっているのかなと。
10周年。10年と言えば長いようで短かったともいえるし、短いようで、本当に、本当にたくさんの思い出が詰まっています。そして、10年、1日1日の積み重ねが自宅の1室から、デイサービス、2か所目のデイサービス、小規模多機能、グループホーム、そして”暮らす”場所へ。
ふくさんのところから、そな~れは見えますか。そな~れは変わらず”そな~れ”であれてますか。そな~れは”そな~れ”として一歩ずつ歩いていれてますか。
ご利用者三同士がソファーで互いに近づきながらひざ掛けを掛け合ったそこには、ふくさんも一緒にひざ掛けに入っているような気がしました。