わらべうた


9月17日、わらべうたコンサートが開かれました。

わらべうたというのは、むかしの子供たちの手遊び歌、数え歌などで、たとえば、「とうりゃんせ」とか、「かごめかごめ」「おちゃらかほい」とか、いわゆる”童謡”とは違う、学校で教えられるのではなく、口から口へ、手から手へ、遊びながら覚えられていった歌たちです。

清水区にある白百合幼稚園では園で歌う歌として、わらべうたを取り入れており、年末にわらべうたコンサートとして発表会が開かれています。わらべうたコンサートは夕方から、ろうそくの明かりの中で行われ、子供たちの歌声に手振りと、わらべうたならではの言い回し、ろうそくの明かりたちとがあいまって、何とも言えない、やわらかで温かな時間と空間を生み出します。そなーれのご利用者にもそんな時を過ごせないかと、白百合幼稚園の父兄の知り合いの方にお願いをし、わらべうたコンサートを行っていただきました。

今回の演目は「じゃんこう じゃんこう」「はないちもんめ」「ひとやまこえて」「とんとんとん?」「ほーらほら」「でんでらりゅうば」

お恥ずかしながら、わたくし「はないちもんめ」しか知りませんでした。始まる前に聞いた感じでは、ご利用者も大半は「はないちもんめ」くらいしか知らなかったよう…

でも実際始まってみると、知ってる知らないなんて関係なかった。

たとえば、「じゃんこう じゃんこう」は、「じゃんけん汽車ぽっぽ」のような歌って出会った組とじゃんけんし、負けた方が勝った組の後ろにつくもの。じゃんけんの掛け声にあたる「葉が出てホイ!」はみんなで「ホイ!」「ホイ!」と掛け声が。気づけば身振り手振りを見よう見まねで一緒にやっていました。

特に盛り上がったていたのは、「はないちもんめ」で「まわるくなってそうだん あっかんべー」のところ、ご利用者の方たちまで悪がきのように、思い切り「あっかんべー」って!

最後、アンコールに応えて「おてぶしてぶし」をやってくれました。これはおはじきを手に隠してどちらに入っているか当てるゲーム。「どーっちだ!」の声がかかると、「当たった!」「はずれた!」と当たっても外れても大きな歓声があがりました。差し出された子供たちの手を握りしめながら、ご利用者たちの笑顔といったら…

今回のわらべうたコンサート、なんだか「わらべうた」の底力を見たような気がします。わらべうたというのが小さな子でも覚えられるような、そして日本人としてなじみ深い節回しや言葉、手振りで、見よう見まねでもなんとなくついていけたというのもあるけど。れだけじゃない。う~ん、底力というか、みんな好きなことって、変わっているようで変わってないのかなぁなんて。じゃんけんをすればついつい真剣になっちゃうし、憎らしくなくても「あっかんべー」は思い切りできちゃう、おはじきがどっちにあるか真剣に考えちゃう。

わらべうたは、きっと、むかしの子どもたちが、自分たちの楽しいことをやっていきながら続いてきているものだから。基本が”歌”ではなく”遊び”だから、”楽しい”の仕掛けがあちこちに仕掛けられている。たとえ知らない歌でも、その”楽しい”仕掛けは、むかしむかし子供だった私にとっても、そしてもっとむかし子供だったご利用者にとっても、その”楽しい”まま変わらず残っているのかなぁと。子どもの考える”楽しい”が今も昔も変わらないことって、すごいなぁと。

でも、とにかく子どもたちが一生懸命歌ったり踊ったりする様は、本当にほほえましかったです。ご利用者も本当の曾孫たちを見ているかのよう。

終わった後、そなーれの建物中を子供たちが走り回り、ドタドタ!という足音や、キャッキャッキャという笑い声につつまれ、しまいにはご利用者たちが、「あぶないよ!気をつけな!」と子供たちを注意する始末…でも、それが何ともお盆に親戚中が帰省してきた騒ぎのようで。本当は、スタッフたちが「静かに歩こうね」なんて言わなきゃいけないのかもしれませんが、思わず笑ってしまっていました。

今回のわらべうたコンサートにあたって、卒園して学校も別々になってしまったにもかかわらず、学校終わりに集まって練習をしてくれた子供たち、そしてご父兄の皆様、本当にご協力いただきありがとうございました。とても、とても素敵な時間でした。